CPFR とは「Collaborative Planning Forecasting and Replenishment」の略で、協同需要予測と呼ばれています。

メーカーと流通業者が協同(Collaborative)して、計画を立案(Planning)し、需要予測を実施(Forecasting)し、在庫補充(Replenishment)を行うことをいいます。

CPFRとは?

メーカーと流通業者が販売情報や在庫情報を共有する取り組みは、従来から行われてきました。

しかし、計画や予測、在庫補充などの業務自体を協同で行うことはあまりされてきませんでした。

CPFRは、SCMの概念をベースに、企業間のコラボレーションをより一層推し進めた、SCMの発展形だといえるでしょう。

CPFRを実現するための障壁

CPFRを実現するためには、さまざまな課題をクリアする必要があります。特に大きな問題となってくるのは、次の2点です。

1)情報公開のリスク

CPFRを実現するためには、流通側の特売計画、出店計画、メーカー側の新商品発売計画など、企業戦略に関わる情報を共有する必要があります。

協同する企業間で信頼関係を構築し、発生するリスクを超える効果を見込むことができなければ、CPFRの導入は難しいと言わざるを得ません。

2)企業間の責任の明確化

例えば、協同で需要予測を行い、その予測が大きく外れた場合を考えてみましょう。

予測よりも大幅に売れてしまった場合は、メーカー側の生産が追いつかずに欠品を招き、販売機会の損失となります。

この責任は一体誰が負うのでしょうか。

逆に、予測したほど売れなかった場合は、在庫が膨らんでしまいます。

この在庫は誰が所有する在庫となるのでしょうか。

まず、需要予測量を決定する際に、企業間できちんと合意をする必要があります。

どちらか一方の企業が勝手に予測量を決めていたのでは、責任を分担することができません。

また、需要予測が、ある程度外れることは当然想定されます。

外れても対応可能な一定範囲と、一定範囲を超えて予測が外れた場合に生じる損失の負担先を、事前の契約(CPFR合意書)できちんと取り決めしておくことが、CPFR成功の鍵だといえるでしょう。

CPFRの実態

CPFRは、企業内のサプライチェーンを企業間のサプライチェーンに進化させる取り組みです。

単なる情報共有だけでなく、戦略の共有・協業になります。

あと、CPFRをテクノロジーだと言う人もいますが、テクノロジーではなく、ビジネスモデルになります。会社のビジネス変革を伴います。

10年ほど前、私はCPFRに関するセミナーを開催した経験があります。

そこでは、社内外の調整が難しく、CPFRになかなか踏み込めない、といった意見が大多数でした。

あれから10数年。

個人情報の扱いも厳しくなり、データの量も増え、単純な共有も難しくなりつつあります。

CPFRのすべてを成功させる究極の姿を実現することは難しいのかもしれません。

しかし、SCMの進化形として、部分的に、情報をうまく共有する基盤を構築するだけでも、効果を上げることはできるのではないかと思っています。