需要予測をうまく機能させるためには、要件定義が最も重要となるでしょう。

どの階層のどのレベルどのバケットで需要予測をするのか、きちんと決めておくことがトラブルを避ける秘訣になります。

今回は、需要予測の業務設計をするにあたり、決めておかなければならない論点を整理していきたいと思います。

需要予測の基本構成単位

需要予測を行うためには、まず「需要予測単位」を決める必要があります。

需要予測単位には、以下のような要素があります。

それぞれを関連させて検討し、適切な需要予測単位を選択しなければなりません。

バケット

需要のある期間のことを「バケット」といいます。

バケットとは簡単に言うとバケツのことです。

計画的に需要量や発注量を考える際に、まとまった期間の総量で考えることがあります。

その期間のことをバケットとよびます。

例えば、週の需要を考えるなら「週バケット」、月の需要を考えるなら「月バケット」となります。

月バケット、週バケット、日バケットなど、予測するバケットによって、実績のとり方が変わり、予測の粗さや変動をみるきめ細やかさが変わってきます。

通常は、予測バケットが小さいほど実績の変動が大きいので、変動の激しい予測となり、バケットが大きくなるほど、ゆるやかな予測になる傾向があります。

基本的に、バケットと業務サイクルは合わせたいところです。

需要予測を行うサイクルが月1回ならバケットも月バケットがよいでしょう。

週サイクルなら週バケットがよいでしょう。

ただし、週バケットでは予測精度が向上しない場合は、月バケットで予測して、週に分解するよいうやり方もあります。

月バケットを週バケットに分解するのはむずかしく感じるかもしれません。

週が月をまたいでいるときに、月の予測値をどのように週に割り振るか、迷えるところです。

これらを解決するためには2つの方法があります。

1つは、月の数字を日バケットに分解し、これを週バケットにまとめる方法です。

これなら、月をまたいでも、一旦、日まで落としているので、週にまとめることが可能となります。

もちろん、月のなかの変動があって、月末に出荷が集中するとか、こうした傾向も汲み取ることができます。

もう1つの方法は、それぞれの月を4週ある月、5週ある月と決めてしまい、強制的に按分する方法です。

欧米などでは、4-4-5週で13週を1つのサイクル単位として回していくルールを採用している企業も多く、この方法で週バケットに変換していくのです。

製品階層

需要予測を行う際、単品で行うのがオーソドックスです。

しかし、単品では予測精度が上がらない場合、「製品グループ」で予測することがあります。

製品グループで予測した場合には、在庫計画や調達・生産計画を立案する際に、単品まで準備しなければなりません。

製品グループを分解する按分方法によっては、分解後の予測値の精度に問題がでるときもあります。

このため、按分比率をどのようにするべきか、きちんと検討する必要があります。

組織階層

「組織階層(拠点階層)」も重要です。

・担当者個人単位で予測するのか
・営業部トータルで予測するのか
・倉庫拠点毎に予測するのか
・日本全国で一本化して予測するのか

といった予測をすべき組織階層(拠点階層)も重要な決定要素になります。

たとえば、全国で予測したとしても、最終的には倉庫ごとの補充計画にしたい場合は、倉庫拠点毎に需要予測値を分解しないといけません。

ここでも按分比率が重要となり、按分比率をどうするのかきちんと調べ、とり決める必要がでてきます。

需要予測の集計

需要予測単位が大きい場合は分解する必要があり、分解方法に注意が必要だということはご理解いただけたと思います。

それとは逆に、小さい単位で予測して集計する場合は、足し算で済むので、あまり深く考え込む必要はありません。

ただし、だからといって最小単位で予測することが常によいとは限りません。

予測精度を求めるならば、ある程度まとまった単位で予測する選択も業務の形態によっては、必要なことなのです。

需要予測ポイント

需要の定義の話に近いですが、需要予測ポイントを定義することは重要です。

倉庫から小売店に出荷した実績を予測したいのか、小売店から最終顧客に販売したPOS情報を予測したいのかでは、全く状況が異なります。

私の経験では、製造業の需給部門が、自社倉庫から小売店にモノを出荷した時点を販売実績として、自社倉庫の安全在庫を見通すために、出荷実績を使って、予測することが多いように見えます。

ところが、自社倉庫からの出荷実績を予測しても、結果として店頭在庫の管理がずさんだと、会社全体としての在庫は減りません。

そこで、最近は、可能な限り、最終顧客に近いポイントを需要予測ポイントとして、POS情報プロモーション情報を蓄積し、ビッグデータとして扱う企業が増えてきました。

店頭在庫がわからなくても、店頭需要は分かるはずです。

このため、出荷実績との差し引きで店頭在庫は逆算で求めることもできます。(販売形態や契約形態で難しいケースもあります。)

会社全体の最適化のためには、さまざまな情報を活用しないと難しくなってきていることに注意しましょう。