私は、業務改革コンサルタントとして、数々のプロジェクトに携わってきました。

サプライチェーンマネジメントの改革に従事することが多かったので、販売や製造といった現場支援をすることがほとんどでした。

また、それらを推進するプロジェクト管理の役割を担当する機会もありました。

正直な話、現場支援は、いろいろ発見があり面白かったのですが、プロジェクトマネジメントのほうは、あまり面白くありませんでした。

政治的な要素が強く、自分の裁量ではどうにもならないことが多かったからです。

ただ、プロジェクト管理も、ある程度、経験を積んでくると、なんとなくパターンをつかむことができました。

混沌とした状況下にあっても

「こんな解決策になるだろう。」

という落とし所のようなものが、ぼんやりと浮かんでくるようになってきたのです。

進捗が遅れた場合の対応

プロジェクトを推進する上で、よくある課題の代表例が「進捗遅れ」です。

プロジェクト全体としての進捗遅れは、プロジェクトマネージャーの責任であり、プロジェクト管理がきちんとできていないことになります。

1日2日の遅れで、個人レベルで挽回できるものであれば、残業で対応するという手もあります。

しかし、挽回不可能な遅れの場合は、根本的な対応策を考える必要がでてきます。

この場合、大きく分けると、次の3つの解決策があります。

(1)要員の追加で対応する

進捗が遅れているわけですから、まず、間に合わせるようにすることを第一に考えます。

このような状況では、プロジェクトに参画している人はすでに残業が多くなってきていることが多いので、さらなる残業は期待できません。

そこで、遅れを取り戻すためには、単純に新規で要員を追加することを考えます。

一時的に、説明や引き継ぎに時間を要しますが、軌道にのってくると、大きな力になってくれることもあります。

単純作業であれば、要員の追加で対応可能な場合もあります。

しかし、特定のキーマンしかできないようなタスクがあり、それが膨らんでいるというケースも多々あります。

この場合は、キーマンでなくてもできる作業を、できるだけ他の人に分担させるという手をとります。

キーマンの1週間のタスクを整理し、事務手続きや打ち合わせの参加を軽減させることになるでしょう。

この要員追加という対応は、分かりやすいですが、次の2つの前提条件を満たすことが必要です。

①内部・外部を含めて、適切な追加要員をアサインすることができること
②追加要員に伴うコスト増加を許容できること

この2点を、プロジェクトオーナーやプロジェクト責任者と詰める必要があります。

(2)本番稼働時期を延期させること

要員の追加ができない場合は、本番稼働時期を遅らせることが可能なのかどうかを検討することになります。

この場合は、プロジェクトオーナー(顧客・スポンサー)やプロジェクト責任者との調整が大前提になります。

単純に作業量が多くて追いつかない場合は、本番稼働時期を遅らせることができれば解決です。(コストは増加しますが。)

しかし、タスクの前後関係や順序制約によって、待ち時間が発生しているようなケースでは、管理が少しややこしくなります。

コストを増加させることなく、プロジェクト期間だけを引き延ばす、つまり、作業量を薄くしていく必要があります。

この場合は、各人の対応可否、予定の調整などを行う必要がでてきます。

(3)本番稼働時点で提供する機能を縮小させる

(1)と(2)、つまり、コストと納期で妥協できない場合は、品質で妥協することを考えます。

つまり、本番稼働時点で提供する機能を減らすことで、間に合わせることを考えるのです。

言い方を変えると、部分稼働ということにもなります。

これは、実際にシステムを利用するユーザーとの調整が必要になってきます。

本番稼働時点で本当に必要な機能はどれなのか、ユーザーの視点が重要になってくるためです。

私の経験上、本番稼働時期をずらすケースよりも、機能の優先順位を決めて、段階的な稼働にもっていくケースが多かったような気がします。

ただ、この場合でも、優先順位を決めたり、移行やトレーニングの計画を見直すなど、見直すための工数がかかることに注意しましょう。