あなたは、コンサルタントと聞いて、どのようなイメージを持っているでしょうか?

・行動力がありそう

・物知りそう

・仕事が忙しそう

・冷たそう

さまざまな見方があると思いますが、どれも正解です。

コンサルタントといっても、多種多様な人種の集まりなので、さまざまな人が存在しています。

コンサルティング会社のキャリアパス

私は、転職経験こそ多いですが、一貫してコンサルティング業界に籍を置いています。

もう20年近くになります。

まずは、コンサルタントのキャリアパスについて見ていきたいと思います。

大学を卒業して、コンサルティング会社に就職すると、まずは、「アナリスト」として、コンサルティングの基礎を学ぶことになります。

ロジカルシンキングを始め、各種フレームワークや基本的な会計、システム導入方法論、語学、顧客とのコミュニケーション、プレゼンテーション…

など、学ぶことは多岐に渡ります。

「コンサルタントの1年は事業会社の3年の経験に値する」

と昔はよく言われていました。

この時期に、どれだけ努力して専門性を身につけておくかが、後のステップアップに大きな影響を与えることは間違いないと思います。

若い頃から、経営幹部と対等に話ができるのも、コンサルタントの特権ではないかと思います。

貴重な経験として、今後の人生に活かしてもらえればと思います。

そして、強みとなる専門領域をひとつ身につけると、「コンサルタント」というステージに昇格します。

アナリストは見習い的な位置付けですが、「コンサルタント」はプロです。

自分の専門領域であれば、きちんとアウトプットすることができ、顧客を動かすことができるようにならなければなりません。

この時期になると、1、2名のメンバーを指導できるようになる必要もでてきます。

自分ひとりで作業が完結することはほぼないからです。

さらに、自分のタスクだけでなく、メンバーのタスクにも気を配るスキルが必要になってきます。

そして、会社によって、呼び方は異なりますが、チームの規模が4、5名になってくると、「シニアコンサルタント」と呼ばれるステージにステップアップします。

このレベルであれば、ひとつだけでなく、複数の専門性も求められるようになってきます。

シニアコンサルタントとして、4、5名のプロジェクトを運営でき、顧客から信頼されるようになってきたら「マネージャー」というステージに昇格します。

マネージャーは現場の大車輪であり、責任者となります。

通常、プロジェクトは10名程度で進めることが多いですが、そのくらいの規模だと、すべての進行に気を配らなければなりません。

進捗管理、課題管理、リソース管理、リスク管理…。

自分の専門領域だけでなく、さまざまな領域にも踏み込んでいかなければなりません。

顧客のキーマンとも重要なコミュニケーションをとっていかなければなりません。

私の経験上、この「マネージャー」がしっかりしていれば、プロジェクトは成功するといっても過言ではありません。

それくらい、マネージャーは重要な役割を担っています。

マネージャーはプロジェクトを進める現場の責任者です。

ただ、マネージャーだけでは、次の営業活動や収益管理を行うことは厳しいです。

そこで、マネージャーの上位職位となる「シニアマネージャー」が必要となってきます。

シニアマネージャーは現場こそ、マネージャーに任せることなります。

しかし、経営層とのパイプライン構築、契約の管理、営業活動など、マネージャーのさらに上流の仕事をこなすことになります。

プロジェクトの運営はマネージャーに任せることができますが、受注や数字のことは、シニアマネージャーが責任をもつことになります。

このレベルになると、戦略的に顧客のキーマンと折衝していくことがメインタスクになってきますので、現場にいる時間は少なくなってきます。

シニアマネージャーとして、きちんと数字を上げることができるようになると、いよいよ、コンサルティング会社の最終到達点である「パートナー」が見えてきます。

パートナーは、コンサルティング事業の戦略を立案し、シニアマネージャーに営業戦略を伝え、契約管理や社内リソースの調整をしていきます。

現場にでることはほとんどありません。

経営幹部との重要な会議に顔を出すか、飲み会に顔を出す程度になります。

このレベルになると、会社の業績に責任をもつことになるため、事業会社では考えられないくらい、報酬も莫大なものとなります。

しかし、戦略通りに運営できなかった場合、つまり目標や予算の達成ができなかった場合は、責任をとる必要がでてきます。

責任の取り方はいろいろありますが、退職を選択せざるを得ないケースが多いです。

私の尊敬する先輩の話

以前、私の尊敬している先輩にZさんという人がいました。

とても優秀な人でしたが、キャリアパスとしては一貫して「マネージャー」でした。

昔から、コンサルティング業界では

「アップ or アウト」

という暗黙のルールのようなものが浸透しています。

昇級するか、そうでない場合は、退職するしかないという厳しい文化が根強く残っています。

事業会社のように、ずっと同じ職位にとどまることがよくないと言われているのです。

最近は、働き方改革の影響もあって、そのような文化は薄れつつありますが。

いずれにしても、普通は昇級を目指すのが普通です。

しかし、Zさんは一向に昇級をしないのです。

シニアマネージャーやパートナーに昇級していく能力はあったと思います。

にもかかわらず、頑なに昇級を拒み続けていました。

Zさんの考え方は次のようなものでした。

・パートナーになりたいわけではない

・顧客の喜ぶ顔をずっと見続けていきたい

・現場から離れると、顧客の声(課題)を聞けなくなる

Zさんは現場主義で、顧客と接していたかったのでしょう。

Zさんはマネージャーを10年近く勤めた後、コンサルティング会社を自主的に退職していきました。

そして、Zさんは、専門領域を活かして、大学の非常勤講師になりました。

大学で教えているアカデミックな教育に、Zさんの実用的な経験が加わり、素晴らしい講義をしていると聞いています。

これも、Zさんが、現場主義を貫き、細かい課題から目をそらさなかったことがよかったのだと思います。

個人のキャリアプランはさまざまです。

さまざまな生き方があります。

出世だけがすべてではありません。

高い報酬を求める生き方、自由な生き方を、好きなことをする生き方…。

あなた自身、自分がどうなりたいか、どうありたいか、前もって、きちんと戦略を考えておくこと。

それが、自分の夢を実現する秘訣だと思っています。