私は、業務改革コンサルタントです。

特に、需要予測をはじめ、今まで数多くのサプライチェーンマネジメントの構築を支援してきました。

今回は、サプライチェーンマネジメントの教科書にありがちな、販売や生産の観点ではなく、財務的視点でサプライチェーンに触れていきたいと考えています。

キャッシュ・コンバージョン・サイクル

サプライチェーンマネジメントは

「受注→調達→生産→販売→出荷→納入→代金回収」

という企業活動のトータルなチェーンを、いかに効率的に構築していくか、あるいは、プロセスを単純化していくかという点をテーマにしています。

特に最近、大企業ではグローバル化が進んでおり、海外での生産、出荷、海外売り上げの代金回収といった、かなり広範囲な地域での取引が増えてきています。

このため、海外も含めたサプライチェーンマネジメントの重要性はますます高まってきています。

需要予測精度、在庫回転率、納期遵守率などが、サプライチェーンの重要指標となっており、これは今も昔も変わりありません。

しかし、近年、よく意識されるようになってきたのが、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)という指標です。

サプライチェーンマネジメントを最適化するプロジェクトでも、CCCの試算は必須タスクになってきています。

これは、商品の仕入れから販売に伴う現金回収までの日数を測る指標です。

日数が少ないほど資金繰りがいいということになります。

米国では、このCCCを経営指標のひとつとして位置付けている会社が多いようです。

しかし、今まで、日本では、あまりなじみがありませんでした。

日本企業の強み

日本企業は、昔から生産に強みがありました。

トヨタのジャストインタイム方式は世界の製造業のお手本にもなっています。

しかし、売上から回収までのサイクルについては、あまり意識されていませんでした。

米国企業に比べて、ずっと劣っていると言われてきました。

「受注→調達→生産→販売→出荷→納入→代金回収」

という企業活動のトータルなチェーンにおいて、最後のプロセスが抜け落ちていたのです。

現金回収までを含めたプロセス全体を、運転資金の観点から一貫して管理・マネジメントするポジションが欠落していたからでしょう。

企業は、製品を売ればいいというわけではありません。

売上をあげることで利益を上げ続けないといけないのです。

受注から代金回収に至るまでのプロセスで、いかに無駄を省いて、定コストを実現するのか、あるいは、適正な在庫水準を保ち続けるのか、ということが重要なのです。

それが結果的に、競争力となって現れ、さらにはマーケットシェアの拡大に結びついていくことになるのです。

S&OP(セールス・アンド・オペレーティング・プランニング)でも、製販連携は議論されますが、財務視点は抜け落ちることが多いです。

サプライチェーンと財務との融合、これが、サプライチェーンマネジメントの成功要因なのです。