アカデミックな世界ビジネスの世界

2つの分野は、相入れないように見えます。

しかし、産学連携など、これらをうまくつないでいく活動は非常に重要だと思っています。

今回は、アカデミックな領域の代表格である

”オイラーの公式”

とビジネスの世界との関係について見ていきたいと思います。

オイラーの公式とは?

”オイラーの公式”

何、それ?

ほとんどの人が、そう言うでしょう。

私も、この公式を会話にもちだして、はずんだ経験はほとんどありません。

ただ、物理や数学が好きな人にとっては、たまらない公式です。

オイラーの公式は、この世界では、芸術的に美しいものなのです。

早速、オイラーの公式を見ていきましょう。

exp(i*π)=-1

なんじゃそれ?

頭が痛いですか?

これは、単純な式ですが、単純だからこそ、とても神秘的な式であると言われています。

まずは、ご存知、円周率πがありますよね。

π=3.1415…

延々と続く不思議な数字です。

次に、虚数単位iがあります。

iは、2乗して-1になる、普通の世界ではありえない数字です。

このため、iは虚数と言われています。

数学の世界では、我々が目にする実数だけでなく、虚数という架空の数字も扱うことで、応用を深めているのです。

expという、指数関数の世界で使われるネイピア数もあります。

exp(x)は、自分を微分しても自分になるという不思議な性質をもった関数です。

あと、数字の基本単位である1。

それに、プラスの世界とマイナスの世界の移動を制御する符号であるマイナス。

実数と虚数、プラスとマイナス、ネイピア数に円周率。

このように、分野や性質の異なる要素が、合わさって出来上がったのが、オイラーの公式です。

数学の分野で登場してくる、ほぼすべての世界を、このシンプルな式でつなげているイメージです。

複雑なことを、非常に完結に表していることから、数学の世界では、芸術だと言われ続けています。

プロジェクトマネジメントの醍醐味

先日、ある優秀な知人と、次のような会話をしました。

混沌としたプロジェクトマネジメントの世界において、100点をとることはまずない。

重要なのは、0点をとらないことだ。

10点でも15点でもいいから、前に進めることができれば、それは付加価値がある。

言葉だけを聞けば、

「なんと低い志なんだ」

と思われるかもしれません。

しかし、私の経験上、この指摘は的を得ていると思いました。

混沌とした状況であれば、まずは状況を整理して、論理的な視点で、課題や制約を洗い出すことが重要です。

優先度の高い課題もあれば、承認印さえあれば先に進む課題もあります。

利害の衝突はあると思いますが、全体として、これらの優先順位をつけ、課題をひとつひとつ解決させていくことが重要なのです。

このため、課題が100個あれば、10個か15個だけでも解決すれば上出来だと思っているのです。

それだけ、プロジェクトマネジメントは奥が深いということです。

オイラーの公式とプロジェクトマネジメント

オイラーの公式は、複雑な数学の世界を、

5つの要素(虚数、ネイピア数、円周率、マイナス、基本数字単位)

だけでシンプルに表しました。

プロジェクトマネジメントでも、複雑な状況を、複雑なまま扱うのではなく、シンプルな要素(課題)に落とし込むことが重要です。

シンプルな課題に持ち込めば、0点か100点ではなく、15点をとることができるのです。

一番いけないのは、何が課題かも分かっていない、全く進んでいない混沌とした0点という状況です。

そういった意味では、複雑な状況をシンプルな課題に落とし込み、さまざまな関係者をひとつのルールでつなげるプロジェクトマネジメントの成功要因は、オイラーの公式の思想に非常に似ています。

何も関係ないと思われるアカデミックなオイラーの公式ですが、その解釈を考えてみると、ビジネスの世界の考え方にも通ずるところがあるのです。

私は、アカデミックな世界ではなく、ビジネスの世界に生きていますが、美しいオイラーの公式が、さらに美しく感じられるようになりました。