理系と文系。

社会に出てから学歴は関係ないとはいいながら、”理系か文系か”というフラグはずっとついて回っているような気がします。

・医者=理系
・弁護士=文系
・エンジニア=理系
・銀行員=文系

このようなイメージが強いのでしょう。

しかし、価値観が多様化してきている昨今、私は、ひとりの人間をフラグづけするのはどうかと思っています。

文系であり理系でもある人間が存在していてもいいと考えているのです。

私の略歴

まず、誤解がないように言っておきますが、私は理系の味方でも文系の味方でもありません。

どちらの学問のほうが優れていると、結論づけをしたいわけでもありません。

私は、理系の大学を1つと文系の大学を1つ、そして理系の大学院を1つ、卒業しています。

そして、今度、文系の大学院を1つ、卒業しようとしています。

おかしな人だ。よっぽど、勉強が好きなのか、と思いますよね。

たしかに、勉強は嫌いではありません。

むしろ、知識を得たり、スキルを身につけたりするのは、好きなほうです。

そこを怠ってしまうと、自分の市場価値がなくなってしまうため、意識的に勉強し続けようとしています。

そこで、私が感じているのは、理系の考え方も文系の考え方もどちらも重要だという点です。

まずは、私の考える、理系と文系の特徴について見ていきたいと思います。

理系の特徴

理系。

数学、物理、化学…などの教科を得意とする人が集まり、専門性の高い領域の研究を進める学問です。

医学部を筆頭に、薬学部、理学部、工学部、農学部…などの学部があります。

”暗いけど、真面目でコツコツ、専門性の高いことをやっている人”

世間では、このようなイメージで捉えられていると思います。

しかし、17歳や18歳のある時点において、数学や物理が得意だからといって、一生、理系のフラグがつくのもどうかと思っています。

たまたま、三角関数とベクトルが得意だったので、数学の配点の高い大学を受験したが、大学に入ってからはさっぱり分からなくなった。

こういった人も多いと思います。

この人が、商社に就職して、30年たって50歳になったときに、理系だと言われても、疑問符がつくでしょう。

そこで、私は、理系出身というよりも、”理系の考え方ができる人”と言ったほうが現実的だと考えています。

では、”理系の考え方”とは何なのか?

私は、「答のない問題を考えることができる」ことだと思っています。

入学試験では、数学も物理も答があるので、解法を暗記するだけの科目にすぎませんが、理系の研究には、本来、答がないものばかりです。

例えば、Aという材料とBという材料を混合させても、何ができるか、その時点では分からないし、実験の結果、何か発生したとしても、それが何であるのか分からないのです。

そこで、論理的に、「Cができたのだろう」と仮説を立て、それが正しいのかを検証していくのです。

で、最終的に、「だから、AとBでCができた」と、なんとなく結論づけるのです。

なんとなくとしか言いようがないため、理系はおおざっぱでアバウトだと言われがちなのかもしれません。

このように、何もないところから、何らかの法則や仮説を導き、それっぽく結論づけ説明すること、これが理系の考え方の本質ではないかと考えています。

文系の特徴

文系。

国語、社会、英語…などの教科を得意とする人が集まり、たくさんの知識を扱う学問です。

法学部を筆頭に、経済学部、文学部、商学部、社会学部…などの学部があります。

”難しいことは極力避け、明るく、要領がよく、何事もうまくこなせる人”

世間では、このようなイメージで捉えられていると思います。

頭の良さという意味では、なんとなく、「理系>文系」のイメージがありますが、これは幻想にすぎません。

私は、文系の考え方を「答のある問題を知識・知恵を絞って解決することができる」ことだと位置付けています。

法律やルール、簿記、英文法、歴史、文学…、すべてルールや文献が揃っています。

量は膨大ですが、基本的には、ルールや事例をもとに、物事に当てはめていきます。

語学などは、その言語を使っている人がいる以上、誰も答が分からないという状況にはなりません。

クイズ番組や、資格試験などで、この文系の考え方は力を発揮しますよね。

知っているか知らないかで、合否が確定してしまうのですから。

対して、理系の考え方では、仮説を立てて、説明さえできれば成り立ちますので、細かなルールや法則を知っている必要はありません。

理系と文系の融合

私は、業務改革コンサルタントとして、さまざまなプロジェクトを見てきました。

その際、プロジェクトマネージャー(PM)とシステムエンジニア(SE)という人たちと一緒に仕事をしています。

プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を管理・調整する人、システムエンジニアはシステムの要件を固めて、実際にシステムを設計する人です。

一般的に、プロジェクトマネージャーは文系、システムエンジニアは理系だと考えられています。

上司や取引先との調整を伴うプロジェクトマネージャーは文系の何事もうまく調整する能力、論理的思考でプログラムを組み合わせていくシステムエンジニアは論理的で理系の能力が必要だというイメージがあるのでしょう。

もちろん、これは間違いではありませんし、出身大学でみると、実際にそうなのかもしれません。

しかし、私の中では、正解や答のないプロジェクトの進行こそ、理系の考え方が有効であり、ルールに基づき、物事を整理していくシステムエンジニアこそ、文系の考え方が有効なのではないかと考えています。

実際、仮説検証を使いこなす、強烈なリーダーシップの理系出身のプロジェクトマネージャーに会ったこともありますし、文系出身で美しい構文を使った設計をするシステムエンジニアにも会ったことがあります。

ようは、理系出身や文系出身というのは、あくまで若い時にどの科目が得意だったかというだけの要素にすぎないということです。

社会に出てからは、理系的な考え方や文系的な考え方をうまく組み合わせていくことが重要であると再認識しています。

理系脳だけでは、知恵の引き出しが増えませんし、文系脳だけでは、混沌とした状況を切り抜けることは難しいからです。

理系の考え方と文系の考え方の融合。

現在、履歴書の学歴欄に、出身学部を書く欄があります。

しかし、いずれ、これらの欄は形骸化され、社会に出てからの考え方が問われる時代になっていくのかもしれません。