私は、長年、業務改革コンサルタントをしています。

簡単にいえば、現状の会社の仕組みを変革していくサポートをさせていただいております。

業務改革というと聞こえはいいですが、変革するためには、莫大なパワーや衝突がつきまといます。

「現状のままでいい」

という組織や人がとても多く、

「変革は悪」

だと見なされることが多いためです。

外部環境の変化や内部環境、競合の打ち手や自社の強みなど、さまざまなものを勘案して、変革テーマを抽出していくわけですが、そう簡単に変革が進むことはありません。

例えば、営業という組織はモノを売りたがって手持ちの在庫をたくさん保有しようとしますが、会社全体でみると、在庫が増えるとキャッシュフローが悪くなります。

「在庫は最低限の水準でいい」

と社長が方針を打ち出したとしても、今までの営業の販売方法に合致しなければ、営業マンは今までのやり方を変えようとしません。

会社が生き残るために、最新型のITを導入するといっても、

「ややこしくなるので、もうシステムを変えないでくれ!」

というおじさん達が非常に多いのです。

今までにやってきたことを変えるということは、ものすごいパワーがいるものなのです。

企業から社会に目を移してみましょう。

猛暑の中、最高の盛り上がりを見せた夏の甲子園。

特に、合理化・効率化を進め、複数人の投手を使って盤石の組織パワーで勝ち上がってきた大阪桐蔭高校と、努力と根性で、ほぼ9人の少人数、ひとりのエースで勝ち上がってきた金足農業高校との一戦は対照的でした。

この件に関し、高野連の会長が、金足農業高校の野球を「お手本だ」と発言したことが、世間を騒がせています。

金足農業高校のメンバーががんばっていたのは誰も否定しませんが、戦い方という意味で、高校生のお手本としないといけないのは、選手起用を含め、盤石の体制で挑んだ大阪桐蔭高校なのではないかと。

難しい問題ですね。

甲子園=青春=努力と汗の結晶

のようなイメージがありますからね。

日程をずらすとか、球数を制限するとか、球場を分散させるとか、さまざまな改革案があると思います。

しかし、どれも、

・お金の制約
・学業との両立の制約
・伝統や慣習との制約

など、さまざまな障壁がつきまといます。

これも、企業改革と同様で、外部環境が100年前とは変わってきている点に着目しなければなりません。

昔は、猛暑でもなかったですし、高校の数や試合の数も異なります。

伝統や慣習も重要ですが、少しずつでも、変革していくことは重要なんだと思います。

・作れば売れる時代 → 作っても売れない時代

・残業して会社に尽くす時代 → ワークライフバランスを重視する時代

・人間ががんばる時代 → ITや人工知能にがんばらせる時代

・会社や国(年金)が面倒を見てくれる時代 → 自分でなんとかしないといけない時代

・先発完投型の野球 → 先発、中継ぎ、抑えが分業する野球

・日本は過ごしやすい温帯であるという認識 → 日本は地震・豪雨の多い亜熱帯になっているという認識

・妻は家庭を守る時代 → 女性は自由に社会進出をしてもいい時代

・マイホームやマイカーを所有する時代 → モノを持たずにシェアする時代

・日本人だけががんばればいい時代(GNP) → 外国人と協働でがんばっていく時代(GDP)

伝統や慣習を重んじることも重要ですが、外部環境は大きく変化してきています。

改革コンサルタントの気持ちとしては、この環境変化に合わせて、柔軟に変化していくことのできる世の中であってくれることを願っています。